【失語症訓練】SFAについて考える

失語症

SFAについて考える

おくらら
おくらら

どうも、おくららです。
今回は、失語症の訓練方法の一つであるSFAについてです。
様々な訓練方法を知り、訓練工夫のヒントを得ていきましょう。

はじめに

皆さんは失語症の訓練でどのようなことを意識して行っているでしょうか。

以前に認知神経心理学モデルを紹介したかと思いますが、モデルに基づいて評価し訓練訓練立案している人が多いのではないでしょうか。

具体的な訓練方法の一つにSFAという方法があるようです。

私も不勉強であまり知らなかったのですが、第21回言語聴覚学会のシンポジウムでSFAのことがあり興味を持って調べてみました。

簡単にはなりますが、紹介し臨床での感じることを考えていきます。

結論から言うと『訓練室の改善から日常会話の改善のヒントになるかも』です。

なので今回は『軽度の失語症の訓練であと一歩悩んでいる人』におすすめです。

SFAとは?方法と効果

まずはSFAってなんのことかを知らないといけませんね。

SFAとはSemantic Feature Analysisの略だそうです。意味属性分析と翻訳されています。

詳細に関しては論文を参考にしていきます。

SFAは、概念から賦活された複数の意味属性が意味ネットワークを介し目標の語彙を活性させる語彙検索モデルに基づくものである。

最初、絵を提示し呼称を行った。制限時間は10秒とし、生後のフィードバックやヒントは提示しなかった。セッション前呼称の正誤に関わらず、すべての訓練後について、訓練用紙を提示し、意味属性に関する質問を訓練者(Th.)が読み上げ、口頭で回答を求めた。Th.は正誤をフィードバックし、正答の場合、参加者が所定のボックス内に記入した。(略)誤答の場合、2択の選言質問を行い、回答を求めた。再び誤答した場合は、Th.が正答を提示した。正誤いずれの場合も、正答の記入を求めた。すべてのボックスが埋まっても目標後が想起出来ないときは、Th.が正答を記入した。目標語の提示後に、Th.が一つ一つの意味属性と目標語を読み上げた。(略)課題終了後、再呼称を行った。10秒以内に正答できないときは、訓練で用いた意味属性を意味的cueとして提示した。

石井 由起, 春原 則子,日本語慢性期流暢性失語症 2 例への Semantic Feature Analysis (SFA) による呼称訓練の効果,高次脳機能研究 (旧 失語症研究),38巻4号,2018

一般的には『カテゴリー』、『用途』、『動作』、『連想』、『場所』、『特徴』を意味属性としておくことが多いようです。

論文の中では、日本では四季が豊かなので『時期/時季』を採用しているようです。

図をみてもらうと一気に想像がつきますね。

どんどん周辺情報から目標語を換語できるようにしていくようです。

また、患者自身が意味属性を想起し、目標語を換語することが重要だと述べています。

self cueとして意味属性を想起してくような方略を定着させることが大切のようです。

この論文では訓練語以外にも非訓練語の成績も向上したようです。

他の報告をみても非訓練語の呼称成績も向上しているようです。

また、復唱の成績がよいと効果が得られやすいようなので、訓練選択の際には参考になりますね。

まとめ

第21回言語聴覚学会のシンポジウムでは、急性期患者に対する選択的SFAという方法を用いてたものを紹介されていました(選択的PCAというものも紹介されていました)。

意味属性のボックスに選択肢を置き、選択を要求するといった方法のようです。

重症度に合わせてそのような工夫を行えばかなり汎用性の高い訓練方法だと感じますね。

ところでみなさん

正直言って、SFAのことは知らなくても、こんな感じの訓練は臨床で行っていませんでしたか?

体系化されている方法ではなくとも、意味情報を提示し想起を促すような方法は少なからず行ってる方も多いのではないでしょうか。

そういった方も、体系化されている方法を知ることで、自身の中で臨機応変に行っていた訓練を整理するきっかけになると思います。

例えば、

ボックスを用意 ⇒ 視覚的記銘を促せるなぁ

同様の形式の用紙 ⇒ self cueとして用いる際に想起しやすくするなぁ

特定の意味属性を使用 ⇒ 意味属性の対立を図れるなぁ

などの考えれるかもしれません。

臨床的な肌感覚としては継続して行っていることは自己管理のうえで有利に働くと感じます。

そういった点からも体系化したものを使用するメリットは多いと思います。

100%原法と同じでなくとも良いので、必要な要素を参考にしていくことは臨床では重要なスキルです。

SFAが考えられたのはかなり昔のようですが、近年報告が増えているといわれております。

さっそく明日から使える要素のある訓練方法だと思うので取り入れてみてはいかがでしょうか。

これからも色々な視点から考えていきたいですね。
皆さんも気づいたことがあればコメントやコンタクトで意見ください。

引用:石井 由起, 春原 則子,日本語慢性期流暢性失語症 2 例への Semantic Feature Analysis (SFA) による呼称訓練の効果,高次脳機能研究 (旧 失語症研究),38巻4号,2018

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