【論文紹介】舌の解剖について

構音障害

【論文紹介】舌の解剖について

おくらら
おくらら

どーもー、おくららです。
今回は、舌の解剖についてです。
解剖についてわからないと介入の時に困りますよね。
図示されている論文があったので紹介です。

はじめに

言語聴覚士の臨床において、摂食嚥下障害と構音障害は遭遇することが多い障害だと思います。

リハビリを行う際には舌の運動について考えることも多いと思います。

では運動を考えるときに必要な知識は何でしょうか?

その一つに解剖があると思います。

今回は皆さん苦手なことが多い解剖についてです笑。

もちろん私も解剖については書籍や論文で知っている程度なので紹介する程度にとどまります。

今回は『舌の解剖を視覚的に理解したい人』におすすめです。

ちなみに、過去に舌の運動について触れているます。

臨床としては活動に注目することが多いと思うのでその記事も参考にしてみてください。

母音発声時の舌運動を考える
母音発声時の舌運動を考える狭母音/i/発声時の舌運動構音の評価を行う際には子音と母音の組み合わせを考慮すると思います。恥ずかしい話ではありますが、若手のことは子音の運動にばかり気がいっていましたが、今は母音の方が重要なので...
構音時の舌運動を考える
『エレクトロパラトグラフィ(EPG)臨床活用に向けた日本語音韻目標パターンの作成と構音点の定量的評価指数の算定』という論文は構音方法を点ではなく面で捉えることで理解が深まる論文です。 エレクトロパラトグラフィを用いた研究であり日本では少ない貴重な論文です。
【論文紹介】舌の拡散テンソル画像について
今回は拡散テンソル画像を用いて舌の線維を描画している論文の紹介です。まだまだ、国内では報告が少ないので、私が考える今後の展望も記載しておきました。

 

舌の解剖

では、単刀直入に論文を紹介していきますね。

今回メインで紹介する論文は2013年の『A 3-Dimensional Atlas of Human Tongue Muscles』という論文です。

当然のように英語なので各自で翻訳する必要があります。

ちなみに、この論文をDeepLで翻訳していたら『styloglossus (SG)』を「口輪筋(SG)」と翻訳していました。

これ茎突舌筋なので注意必要ですよね。他にも専門用語は誤る可能性があります。

文の流れは任せてもよいでしょうが、専門用語は自身で調べて勉強しましょう。

IRA SANDERS, LIANCAI MU. A 3-Dimensional Atlas of Human Tongue Muscles. The Anatomical Record. 2013 July ; 296(7): 1102–1114

SL(superior longitudinal):上縦舌筋
TV(transverse and vertical):横舌筋と垂直舌筋 ?
IL(inferior longitudinal):下縦舌筋
HG(hyoglossus):舌骨舌筋
SG(styloglossus):茎突舌筋
GG(genioglossus):オトガイ舌筋

 

TVだけ2個の名前になっていますが、その他は内舌筋と外舌筋が分けられて描かれています。

上の図では黒線の物がありますが、下縦舌筋であっているのか謎です。下の図でははっきりと青線で描かれているので…。ただ、位置関係を考えると下縦舌筋で間違いなさそうではありますよね。

 

臨床での利用に関して

これは舌の触察をするときに重要だと思っています。

参考書などを見ても舌のストレッチを行う際に実際に舌に触れて(ガーゼで包みながら)行うことが紹介されているかと思います。

実際に触れることで筋緊張の状態などを確認することが出来ます。

触る際には解剖が頭に入っていると情報が増えるので重要ですね。

 

※ここからはかなり臨床での肌感覚の話になります。おくらら個人の意見なので「論文に関係ないなら興味ないやい」って人は飛ばしてください。

これは、臨床での肌感覚となりますが、かなり左右差が生じている方が多いです。

急性期では麻痺側の低緊張が多いように感じますが、恥ずかしながら十分には評価できていないです…。

回復期や生活期の方では筋緊張が亢進していることも少なくないことを経験しています。これは左右差もそうですが、前後での差も生じていることがあるので一概に麻痺側、非麻痺側どちらか一方が高緊張(過緊張)となっているとは限らないように感じます。

臨床での肌感覚なので根拠は経験としか言えませんが、触っていると差を感じるのは間違いないです。

ただし、そのパターンや背景に関しては不明な点が多いので、今後も臨床を通じて学ぶしかないと思っています。

さらに臨床での感覚になりますが、触診しているだけで容易に緊張状態の分布は変わる印象を受けます。

さっきまでは『硬くて動きにくかった部分』が触診を行い、動きを誘導することで『急に痛みもなく動き始める』という経験をしばしばします。逆に、どんなに筋肉の長さを変えるなど誘導しても緊張が変わらないことも経験します(ただ単に下手なだけかもしれませんが…)。

感覚器官が密であることや筋が複雑に交叉していることから、舌は本当に繊細な器官であることは間違いないので、皆で今後も臨床での成果を形にする必要があるように感じます。

 

おわりに

今回は舌の解剖の図に関して紹介しました。

論文の紹介というよりも図の紹介になりましたね。

ただ、舌のストレッチなど触診を行う際には重要な情報になると思います。

また、参考書としては『ゼムリン』や『プロメテウス』が私はおすすめです。

今回あった舌筋の英語翻訳もプロメテウスとにらめっこしながら確認しました。

是非参考にしていただければと思います。

これからも色々な視点から考えていきたいですね。
皆さんも気づいたことがあればコメントやコンタクトで意見ください。

引用:IRA SANDERS, LIANCAI MU. A 3-Dimensional Atlas of Human Tongue Muscles. The Anatomical Record. 2013 July ; 296(7): 1102–1114

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