【ガイドライン紹介】脳卒中後の運動障害性構音障害の管理について

構音障害

脳卒中後の運動障害性構音障害の管理について

おくらら
おくらら

どーもー、おくららです。
今回は『 Clinical Guidelines for Stroke Management 』のDysarthriaの項についてです。

はじめに

ASHAのエビデンスマップを徘徊して運動障害性構音障害の脳卒中のガイドラインを見つけました。

ガイドラインを確認するとDysarthriaに関しては少し寂しい結果となっていました…。

今回はそれを紹介していきます。

以前に失調に関してのガイドラインを紹介したこともあるので、興味のあるかたはそれもご覧ください。

【ガイドライン紹介】失調性構音障害患者への関わり方
今回は海外の団体のガイドラインの紹介です。それも失調のみのガイドラインということで日本では見かけたことがないので、言語リハビリの部分だけ紹介させてもらい私見を述べたいと思います。

 

ガイドラインでの構音障害

For stroke survivors with dysarthria, individually tailored interventions provided by a speech and language pathologist or a trained communication partner may be provided. (Bowen et al. 2012 [231])

Clinical Guidelines for Stroke Management. Stroke Foundation. Melbourne (Australia). Retrieved October 2. 2019

実施されることの弱い推奨
構音障害を有する脳卒中患者に対しては、言語聴覚士または訓練を受けたコミュニケーションパートナーが提供する個別に調整された介入が提供されること。

For stroke survivors with dysarthria, non-speech oromotor exercises have not been shown to provide additional benefit to behavioural speech practice and are not recommended. (Mackenzie et al. 2014 [244])

Clinical Guidelines for Stroke Management. Stroke Foundation. Melbourne (Australia). Retrieved October 2. 2019

実施しないことの弱い推奨
構音障害を有する脳卒中患者に対しては、非言語運動訓練は発話練習に追加された効果が示されておらず、推奨されません。

 

臨床の感覚では、コミュニケーションパートナーを提供することは推奨しても良いのではないかと思いますよね。

ただ、場合によっては必須ではないでしょうから弱い推奨なんだと推測しています。

今回は脳卒中後の構音障害者に関してなので神経筋疾患の場合にはまた違うのかもしれませんね。

非言語運動訓練を行うだけで改善するのは難しいことは経験上感じます。ただ、非言語運動訓練を行うことで発話練習を効果的に行うことが出来ることは臨床で度々あるので、ガイドライン通りには感じない点もあります。

肌感覚として感じていても報告として挙がってこないことが原因だと思うので、臨床家である我々が頑張らないといけませんね。

 

まとめ

ガイドラインではあまりポジティブな内容ではなかったかと思います。

ただ、もっと臨床で行っていることを整理して発表していかないといけないことを感じました。

聞いた話で恐縮ですが、脳科学者のラマチャンドラン博士がミラーボックスで幻肢痛を軽減した症例を発表したそうです。その後から研究者が「それ面白そうだね」ってどんどん研究を進めていったらしいです。

臨床から研究が進んだ例として素晴らしい事例だと思います(そもそもラマチャンドラン博士がその分野にめちゃくちゃ精通していたこともあると思いますが…)。

我々臨床家ももっと臨床の結果をまとめて発信していかないといけないですね。

私は研究会のジャーナル以外で症例を論文にまとめたことがないので、もっと頑張らないといけません。

ちなみに、このガイドラインには失語症とかも載っているので参考になるのではないかと思います。

是非自分の専門(得意)分野だけでも見てみるのはいかがでしょうか。

これからも色々な視点から考えていきたいですね。
皆さんも気づいたことがあればコメントやコンタクトで意見ください。

引用:Clinical Guidelines for Stroke Management. Stroke Foundation. Melbourne (Australia). Retrieved October 2. 2019


コメント

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