【論文紹介】餅の嚥下について考えるー標準の餅と介護食の餅の比較ー

嚥下障害

餅の嚥下について考える
ー標準の餅と介護食の餅を比較ー

おくらら
おくらら

どーもー、おくららです
今回は年の瀬なので餅についての論文を紹介します。

はじめに

もういくつ寝るとお正月といった時期になってまいりました。

日本の正月といえば餅ですね。

ただ、毎年窒息のニュースは絶えませんし、J-STAGEで『窒息』と検索してもかなりたくさんの論文が見つかります。

それぐらい窒息に関しての関心は高いということです。

そこで、今回は餅についての論文を紹介させてもらいます。

結論から言うと『食べやすい商品もあるけど注意は必要』です。

なので『餅(介護食)の特徴を知りたい』におすすめです。

 

餅について

まずは、日本人が大好きな餅がの消費についてです。

餅の支出については全国餅工業協同組合のデータを参考にさせてもらいました。

全国餅工業協同組合HP 2020.12.31閲覧

年々餅の消費が減っているのがわかります。

おくららは親戚が送ってくれるので、ここ数年餅を購入していません。

少し寂しい気がしますが、時代の流れですね。

 

全国餅工業協同組合HP 2020.12.31閲覧

数年前までは70歳以上がかなり購入していたようです。

平成30年に何があったのか急に購入が減っています。

医療従事者やメディアの努力のたまもので『高齢者に餅は危険性がある』という意識が根付いたのだと思います。

餅を食べる大和魂を考えると複雑な気持ちですが、命には代えられません。

ただし、インターネットには餅を食べやすくするレシピもたくさん見つかりました。

今回は割愛しますが、食べたい場合には注意して食べてくだてもらってください。

  

普通の餅とやわらか福餅

介護食として『やわらか福餅』といものが市販されております。

ちなみに当院でもこのような商品を用いて提供しています。

キッセイ薬品工業株式会社HP 2020.12.31閲覧

同じ商品ではないかもいしれないですが、介護食の餅を食べたことがありますが、結構餅の味わいのようなものは楽しめました。

ただ、咀嚼の必要性などは高いには変わらない印象でした。

その点について紹介している論文があります。

やわらか福餅は市販のパック餅よりも、咀嚼回数、咀嚼時間、咀嚼周期、咬筋の咀嚼1回あたりの振幅が有意に減少した。また、舌骨上筋群の活動時間が、やわらか福餅の方が市販のパック餅よりも有意に減少した。

神山 かおる, 澤田 寛子, 野仲 美保 .テクスチャー機器分析およびヒトの摂食測定による咀嚼・嚥下困難者用餅の食べやすさ評価. 日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌. 10巻2号.2006

閉口筋である咬筋の振幅が少ないことは、強くかむ必要がないとうことで食材の固さが小さいことを意味しています。

この論文からやわらか福餅の方がやわらかいことが分かりました。

また、舌骨上筋群の活動時間が短いことも嚥下には有利ですね。

できることなら標準の餅の方が良いと思いますが、嚥下障害のある方には一つの選択肢かも知れません。

また、この論文内でも十分に咀嚼することで差は少なくなるようなデータになっていると思います。

ですので、餅を食べるときには、小さく切ってしっかり噛むという基本的な態度は必要だと思います。

 

おわりに

今回餅についての論文を紹介させてもらいました。

この記事は大晦日に公開しているので正月には間に合わないですね。

来年の正月は導入を11月から検討してみてください。

これからも色々な視点から考えていきたいですね。
皆さんも気づいたことがあればコメントやコンタクトで意見ください。

引用:全国餅工業協同組合HP 2020.12.31閲覧
キッセイ薬品工業株式会社HP 2020.12.31閲覧
神山 かおる, 澤田 寛子, 野仲 美保 .テクスチャー機器分析およびヒトの摂食測定による咀嚼・嚥下困難者用餅の食べやすさ評価. 日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌. 10巻2号.2006

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